カラーライティングを上手に取り入れる
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カラーライティングを上手に取り入れる

物体の色は光があって、初めて識別できます。光源が一つもない真っ暗な部屋ではすべてのものが黒く見えます。例えば、可視光線のうち、赤い色だけを反射させてそれ以外の波長の光を吸収する性質の物体を太陽光のもとで見ると、その物体は赤色に見えます。それは、太陽光線の様々な波長の光の中で、反射して我々の眼に届く光が赤い波長の光だからです。われわれが見ている物体の色とは、物体が反射した光の波長によって決まります。このように、光と色との関係は切っても切れない関係と言えます。しかし、照明デザインの世界では、カラーライティングというと、~繁華街のチカチカとしたあまり洗練されていない光~とか、~舞台照明やテーマパークのような非日常的な落ち着かない光~とか~人目をひくための最後の手段~的なあまりよろしくないイメージを持たれる場合も少なくありません。
個人的には、私は色のある光ももっとどんどん上手に取り入れていくべきだと思っています。光も色も、人の心の働きに影響を与える要素でもあるからです。
フィンランドでの留学経験のあるスタジオLUMEの梅田かおりさんによると、フィンランドの学校では、生徒が不安定になっている時に休む、写真のようなカラールームのような個室がある所もあるそうです。緑や青には精神安定や熟睡を助けるような効果もあるそうなので、こんな試みがあるのでしょう。照明を、建築の中の設備としてではなく、人間形成の一環として捉えていく考え方が必要です。デザインや美しさという意匠的な追及だけの照明ではなく、教育や心理学、医療など、人間環境を向上させるための分野との連携が必要不可欠だと感じます。そのためには、どこに向かって発信していくべきか、日々試行錯誤の連続です。

写真提供:スタジオLUME


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