光が決まると器具が決まる
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光が決まると器具が決まる

照明計画の面白みは光の置き方をデザインすることにあると思っています。形として出てくる器具のデザインではなく、光そのものを、空間にどう置いていくかを考えていく事が私は好きです。設備計画として照明計画を行うと、この部屋には何ワット相当の照明器具を何灯配灯すればよいか・・・という教科書の例題問題を解くようなつまらない作業になってしまいます。しかし、この空間を、光でどう設えていくかをイメージする作業は正解も不正解もなく自由な作業です。イメージが決まれば、その光を実現させるためにはどういう性質の器具(スポットライトなのかダウンライトなのかブラケットなのか・・などという)を選ぶかがおのずと決まり、どこからどういう方向に使うかも決まっていきます。写真は、アーチ型をしたオフィスビルのピロティ部分の光をどう採るかを相談されて計画をしました。上から下に光を落とすと、どうしても高所でのメンテナンスが発生してしまいます。さらに、夜間は人の歩行に差し障りがない程度の光量で十分であり、遠方からのライトアップ効果も必要ということでした。そこで、床から立ち上げたポール灯で上部天井面を明るくして、その視覚的明るさ感と反射光により、空間の明るさを確保しました。夜間も雲の下にいるような心地良い空間になったと思っています。そのために必要な光量から、必然的にポール灯のボリュームも決まります。そうした制限の中で、ポール灯のデザインをいくつか考えていくと、必然的に機能美にたどり着くことができるのだと思います。

ポール灯模型写真

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