スカイラインの光
ライトアップというと、壁面の大きな面積を光であてこむことのような気がするかもしれません。しかし、実際には建物には窓があり、外から光をあてることで内部への弊害となる場合が少なくありません。そんなとき、限られた部分に光を置くことで、効果的に建物を際立たせる方法があります。建物と空の境界の部分に注目してみて下さい。建物のアウトラインを光でなぞっていくだけでも、エッジの効いた凛とした表情になります。
私は、これは女性の眉毛ラインに似ているなと思います。朝、起きがけに鏡で見る自分の顔がなんとなく呆けてみえるのだけれど、眉をメークで整えると、ピントがあってきたような感じがしたことはありませんか。
それと同じように、建物の夜の表情のピントを合わせ、輪郭をくっきり見せる役割がこのスカイラインの光です。
事例は、高層オフィスビルの四隅を、探照灯としても使うキセノンサーチライトの光で照らし上げています。ガラス面のない四つのコーナーを照らすことで、窓から入る不快な光害を出すこともなく、ビルの特徴を強調することができます。
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