映り込みが創る景色

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ライトパイプを天井に施した高天井の照明空間に出くわしました。
ライトパイプとは、「光の全反射現象を利用して、パイプの端部から入れた光をパイプ内に伝達させて、パイプ全体を発光させるミラーやガラス素材でできたパイプ」のことです。夜間の外部演出などには効果がありますが、高天井などの床面の照度を得る、というような効果はあまり期待出来ません。
ただ、上の通路照明では、両サイドの店舗の光に賑わいがあることや、昼間は外光が差し込んでくることなどの周辺環境との関係性により、比較的うまくいっている例ではないでしょうか。ライトパイプは、両サイドの光源の光が伝達しながら作るパイプの輝度が、不思議な光の印象を与えることや、高天井などのメンテナンスのしにくい場所で、両端の光源のみの交換で済むことなどが魅力です。しかし、明るさを得る効率が悪いわりにコストがかかるので、あまり実現しないことが多いのが現状です。この通路で私が一番面白いと思ったことは、ライトパイプ故に、昼間の外光の輝度に天井面の輝度が負けていて、それが功を奏して、天井面に行きかう人々の姿が映し出されていたことです。まるで、水面が天井にあるようで、空間が逆になったような、自分がいったいどこにいるのかわからないような・・・そんな不思議な感覚に陥りました。きっと、雨の日は天井の映り込みが傘の花を咲かせるのだろうし、雪が積もれば、天井も銀世界に人々が吊り下げられることでしょう。想像するだけでワクワクします。こんな視点で見ているのは私だけかしら。

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