非日常の光~満月が下りてきた日~
LEDランプの普及によって自由にカラー演出ができるようになり、華やかな照明があちらこちらで見られるようになりました。その分、多少の光では目立たないのでどんどん目新しいことをやろうとしてしまうという面もあると思います。しかし、日常を忘れて過ごせるような非日常の空間を演出するには、目新しい光を使わなくてもできてしまいます。非日常の光を創ればよいのです。非日常の光とは、日常的に我々の身近にない光。いつも身近にある光というのは自然光なのですから、その逆を創ればよいのです。
前にもお話ししたように、自然光は太陽が低い位置にある時は、色温度も低く、(赤っぽい)太陽が高い位置にある時は、色温度も高い(白っぽい)のです。その逆の光というのは、自然界にはなく、我々はあまり経験したことがない光なので、非日常を感じてしまいます。
足元が、白い光で発光したこんな空間もなんだか宇宙的な印象を受けますね。

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床面を掘り込んで、サークル上に光らせた演出と出会いました。満月のきれいな日だったので、「おお!満月が降ってきた!」と思わず写真を撮ってしまいました。
そこでもう一工夫。この床面照明と月の満ち欠けがセンサーで連動していたら面白いなあ、と思いました。満月の日は真ん丸だけど、上弦の月の日は照明も半分しか光らない、とか。そこを夜、毎日歩く人がいたら、なぜか三日月の照明パターンと出会わないことに気が付くかもしれません。そして、三日月は昼の月だと再認識するかもしれません。私の小さい頃にも、そんな工夫が街のそこここにあったら、「月の満ち欠けと方向」というややこしい原理が覚えやすかったかも、と思ってしまいます。
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