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シンギュラリティにおける光

シンギュラリティ(技術的特異点)とは、人工知能が発達し、人間の知性を超えることによって、人間の生活に大きな変化が起こるという概念を指します。シンギュラリティという概念は、人工知能の権威であるレイ・カーツワイル博士により提唱された、人類の科学技術の進展が、生物学的限界を超えて加速するという予想です。以下は、レイ・カーツワル氏の著書の解説文の抜粋から引用させていただきます。
シンギュラリティとは、技術の進歩速度に関して数学的あるいは物理的な特異点の近傍に似た挙動が見られることからこのように名付けられました。下の指数関数のグラフを参照してください。倍々ゲームで上昇が加速していくとやがてその方向が横軸に対してほぼ垂直になっています。それは、進化のスピードが「無限大」になるということです。そしてそのポイントは、突然に起こります。そのポイントこそがカーツワイルのいう技術的特異点、シンギュラリティにほかなりません。

技術的特異点が到来する可能性については様々な意見が存在するようです。肯定的に捉え、前向きに取り入れようとする動きと、回避すべき危険な事として批判する動きとがあるようです。

私はシンギュラリティに関して批判するほどの知識も持っていないので、ここで良し悪しを述べることはしませんが、人類が進化していく過程で、起こるべくして起こることならば、受入れるべきことなのかなあとぼんやりと感じています。異常気象や火山噴火、大地震・・・・・地球がある転換期を迎えていることは明らかなのだと思います。世界規模どころか、宇宙気候学的に環境が変わっていくのであるとしたら、人間もおそらくは、予想を超えた進化を遂げて次世代へと繋いでいく事になるのでしょう。だとしたら、「地球は破滅するなら何をしても無駄」だとか「その頃は自分は死んでいるから関係ない」ではなく、人間の誇らしい進化に微塵でも関われたと思えるように前進したいものです。
ということで、私的には、照明の進化について考えてみました。
人工知能が人間の知能を超えるか否かは別としても、照明の分野でもコンピューターによる制御はごく普通の事となりました。昼光のコントロールに始まり、シーンごとのプログラム設定、舞台上におけるダンサーと音楽と照明の同期、もはや、驚かせなければ評価されないのではないかという懸念さえあります。
そんな中、私が興味を抱いた研究をご紹介したいと思います。神戸大学で建築学を指導なさっている鈴木広隆先生が発表されている「頂側窓による採光のためのダブルクロスカテナリー光拡散幕」という直射日光をコントロールする手法です。住宅密集地などでは、通常の側窓光での十分な採光が極めて困難です。また、頂側窓による採光は、直射日光の流入により、室内の輝度比が激しくなったりグレアが生じたりします。そのため、本研究は、頂側窓の採用により採光を十分に確保した住宅の内部にカテナリー曲線に沿ってスクリーンとなる布を配置し、これにより昼光の変動による趣きを確保しつつ、住宅内部の各部分に一定量の昼光を導くことを試みたものです。詳しい内容は、鈴木先生の文献などで御覧になっていただきたいのですが、(www2.kobe-u.ac.jp/~hisuzuki/light_shape.pdf )私がこの内容に魅力を感じたのは、~自然光に寄り添う形で、人が知恵を使っている~という印象を受けたからです。そして、そのカテナリー曲線による拡散幕は、形や素材の組み合わせによって無限の可能性があるということです。必然の美を追求していく事ができるのです。自然現象をを突き詰めていくと、その構造の奥に潜む原理があるという、「フラクタル」や「カオス」にも通じるものを感じました。進化の行きつく先は自然現象なのかもしれません。

図2


図3


「天井面より下部に設置される布により過剰な気積感を緩和すること」、「拡散性を持つ布に直射日光を透過させることによりハイライト部分の輝度値を低下させること」、「ハイライトを周辺壁面ではなく吹き抜け中央に移動させることにより、吹き抜けの下側を含む周辺全体に光が行き渡るようにすること」の3 点を目標に、拡散幕を懸垂線柱面となるように配置(図2 参照)し、直射日光の指向性の強い流れが緩和されていること、拡散幕なしでは十分に光が届かない領域に拡散幕からの反射光・透過光が届いていること等を明らかにした(図3)(鈴木広隆先生の論文より引用)

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