光で描く
夜間、室内から庭園を借景として光で取り込む場合、室内と屋外の輝度バランスを配慮しなければいけません。更に、遠景、中景、近景、などによって、輝度や色温度などを使いわけることで室内から見る庭園は、昼間感じることができなかったくらいに幾層もの奥行きを演出してくれるでしょう。さらに、色味などを変えなくても、最背面に対するホリゾントライトが用意されていれば、ドラマチックな奥行き感を設えることができます。ホリゾントライトを用意した背面から逆行の光を受けた樹木が、シルエットとなって姿を現します。そして最前面の前方からライトアップされた広葉樹の緑の葉が堂々と姿を現すと、舞台照明は人の出番を待つのみになります。通常の人の動線のある場所であれば、ホリゾントライトのグレアには要注意です。通行した人は眩しいばかりでなく、借景の中では唯のシルエットAになってしまいます。
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