照度計男子、輝度計女子
戦後の日本の照明は右肩上がりに明るくなっていきました。当時、白く明るい空間が生産効率を上げるとされ、アメリカの執務空間が明るくなっていった事を背景に、日本もその影響をうけたのです。結果日本は“明るさが豊かさの指標”のような思い込みで突き進みます。国民が余計な事を考えずに、同じ方向を向いてただただ経済成長のためだけに生産性を上げるにはそれも悪くなかったのでしょう。しかし、これからの未来を創る子供たちや若者に、そんなものをあてはめてはいけないと思います。機械にはできない人間独自の感性と創造性を磨く習慣が必要です。
闇があるから人は創造力を働かせるのです。お互いの顔が直接的な光で煌々と照らされていないからリラックスして発想のスイッチをいれられることがあるのです。自分の場合はどうかを考えてみてください。どんなひかり環境だと物事をじっくり考えられるか・・・落ち着くなあと思った光環境はどういう空間か・・・ドキドキワクワクする光環境は・・・自分のあらゆるスイッチのON、OFFに関わる光環境に出会ったら、その光の照度、輝度、色味、手法などをチェックしてみてください。
そのために、まずは照度計や輝度計を持ち歩くことから始めてみてはいかがでしょうか。スマホのアプリでも構いません。「ああ、ここは居心地がいいなあ、」と思ったらそれはなんルクスくらいなのか、程よい明るさの面を見つけたら何カンデラくらいなのか・・・・・
自分が心地よい場所や不快と感じた場所でその光環境を知ることが大切です。照度計をおもむろに出して、「君の瞳は間接照明の80Lxの下で、もっとも美しく輝くね。」なんて言ったら「そんなこと言われたのはじめて~うれしい~」なんてことになるかもしれません・・・
目指せ、照度計男子!輝度計女子!
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