2016年7月29日
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専門知識
昼間の景観を邪魔しない照明
人は予想外のことが起こると、ドキッとします。恋愛がいつの日か違う形に変わっていくのも、相手に未知の部分がなくなり、想像の範囲を超えることがなく、もしくは想像以下でしかなくなるからかもしれません。
光をデザインするのも一緒です。昼間ポール灯がたっているところに夜光がともるのはだれもが想像できます。昼間なんの予感もないからこそ夜の光が夢を与えてくれます。
写真は、あるリゾートホテルの池の昼間と夜です。すすきの有名な土地柄、昼間は池に浮かぶすすきのオブジェをデザインしました。夜になると、光ファイバーでできたそのオブジェが光を放ち、すすきの穂がきらめきながら水面に映り込みます。そして、昼間は水中に姿を隠していた面が、そこに水中照明を潜ませていたことで、夜になるとくらげのように浮き上がってきます。特にリゾートなどではこのような非現実な情景を創ってあげたいものです。私が幼い頃は、東京の自宅の周辺でもすすきの夕日のシルエットを見ながら家に帰ったものです。その頃の外遊びの経験が、今の私の想像力のもとになっているのだと思います。人が作ったアミューズメントパークからは得られないものだったでしょう。
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