窓際の花火
光の実験や撮影に関わる仕事に携わっていると、否が応でも天候に振り回されることになります。太陽が顔を出さなければ行えなかったり、逆に陽が沈んで暗くならなければ人工照明の確認ができなかったりするのです。どんなに予報の精度が上がっても、微妙な雲間から漏れる太陽光の変化は事前には予想できません。だからと言って人間の予定に合わせて無理に人工照明を自然光の代用に使用したりしても、太陽の平行光線との違いを見せつけられるだけです。
光と関わっているというだけでも、自然という底知れない力を持つ相手に対して、対抗するより自分がそちらに合わせて付き合う方法が一番上手くいくことを学びます。自然が、決して人間の力では制御可能な存在ではないことは、自分の生活の中に自然との接点があればあるだけ学び取ることができるものだと思います。その経験の積み重ねは、「経済至上主義に傾倒するのではなく、地球上の人間のあり方をバランス感覚よく構築できる」人材を育むと信じます。
公園から遊具が消え、ラインのやりとりが最優先になってしまった~今~に育ったそこしか知らない子供達にその危機感を感じろといってもそれは無理なことかもしれません。五感を通して感じた経験が生きる力を養うことを知っている大人達の導きが必要なのではないでしょうか。
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