夕暮れの青いドラマ~プルキンエ現象~
明るい場所では赤が鮮やかに遠くまで見えるが、青は黒ずんで見えます。一方、暗い場所では青が鮮やかに見えてきます。この視覚現象をプルキンエ現象といいます。人の眼の錐体細胞が、明るい光の下で識別する役割を持ち、中でも波長が長い赤っぽい色で感度がピークになるのに対して、桿体細胞が弱い光の中で働き、波長の短い青っぽい色で感度がピークになるからです。
夜も煌々と明るい都会では、あまりこの現象を認識する機会は少ないかもしれませんが、庭園設計を施すときはこれを効果的に利用することができます。スペクトル範囲の協調される部分が徐々に変化して、時の流れとともに独特の景をつくりだします。晴れた日の昼、華やかな赤やピンクや黄色は鮮やかで一目を引きます。緑の葉がそのけばけばしさをうまく和らげます。夕暮れ時にはピンクは青味を帯び、赤は目立ってはいますが青よりの赤に変化していきます。更に暗さが増すころ、それまでは目立たなかった控えめな青い花が主張し始めるのです。
もし陽が沈む頃、すれ違う青い日本車と真っ赤なポルシェを同時に見るような機会があれば、ポルシェがなんとなく生彩を欠いて見えるということがおこるのです。
更に、暗いところでのデートならば寒色系の色の服が映えるし、昼間の屋外デートならば暖色系の色の服が映える、というこになるわけです。

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