タスク&アンビエント
日本人は明るい照明が好きです。というより、明るい照明に慣らされてしまっている、と言う方が正しいかもしれません。戦後~明るさが豊かさの指標~のように追い立てられるようにどんどん日本の空間は明るくなっていった、という事は以前のコンテンツでも書きました。そして今、省エネの視点から、国を挙げてLEDへの転換が推し進められています。しかし本来はその前に、根本的な光への意識を変えて、その場所に適した光をを創っていく事が必要でしょう。
タスクアンビエントという手法がありますが、これは様々な空間で成り立つ手法だと思います。タスクアンビエントとは、環境の照明と作業用の機能照明とを分けて考える方法で、机上の作業面には各自の使い方や作業に合った光がフレキシブルに与えることが可能で、不在時には消灯できます。オフィス照明での手法のみでなく、様々な空間で応用できる方法であります。
たとえば、レストランで自分が明るく照らされていても気恥ずかしくてくつろげません。食べる物をきちんと見せてくれればいいでしょう。ホテルのロビーでは、ソファで新聞を読む人の手元がしっかり明るければいいでしょう。
という考え方で、コンパクトな中でとてもうまく考えられていると感心させられるのが、飛行機の読書灯です。隣で熟睡している人がいても気兼ねなく読書ができます。空の上のこんな限られたスペースで可能なのですから、地上ではもっと工夫されたものができるはずです。
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