その場所を表現する光
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その場所を表現する光

照明計画の評価のポイントは色々あります。美しいか、機能的に優れているか、メンテナンス性は良いか、コストが予算の範囲内で収まっているか・・・・デザイナーの中には、奇をてらった斬新なものを追求するタイプもいるでしょう。確かに、どこにもないようなアイデアや奇抜なデザインは見た目にも華やかですし、注目も集め易いといえるでしょう。ただ、私が本当にうまいなあ、と感心する光空間は、シンプルでどこにでもあるような器具やランプを使って建築とうまく融合し、長い月日を経ても色褪せることなく人々に受け入れられてるような光空間です。長い月日の間に変わらないということは、メンテナンスを誰が行っても同じようにできるシンプルなものでなければならないでしょうし、流行によって色褪せることのないように、建築の中にうまく溶け込むものでなければならないと思います。その建物の持ち味をひきだすことで、十分な場合が多々あります。
写真のドームはあるフラワーパークの温室ですが、ガラスドームのトラス組の繰り返しが荘厳な存在感を感じさせています。このように、トラスの一つ一つは単純なものでも、それが集団となって大きなインパクトを与えるという事例は沢山あります。そんな時の照明の役割は、ただただその連続性の威力を見せてあげればいいのだと思っています。
さらには、その場所その環境のなかでの効果を吟味し、その場所ならではの事ができれば十分でしょう。風土性というのが照明にもあるということです。例えば、高温多湿日本の高温多湿なモンスーン気候の湿度の多い風土と、スペインなどの乾いた風土とでは同じ太陽の光でも感じ方が違います。我々日本人は、もやもやっとした光に慣れていますが、乾いた風土の人々は光というものをもっと鋭いものに感じています。ですから、日本で心地よいと感じたものをそのままスペインにもっていっても同じようには感じないし、その逆も同じ事がいえるのです。
このガラスドームでは、機能としてのスポットライトを、この場所の夏至の時期の太陽の軌道の位置に付けました。それは、後になってそれを知る人がどれだけいるかはわかりませんが、それを知った人が~そうだったのかあ~と納得してくれる瞬間があると嬉しいです。%e9%b3%a5%e5%8f%96%ef%bc%92

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