以前、鏡遊びのところでお話しした、正反射を利用した照明計画をご紹介します。正反射の性質は、光が入射角と同じ角度で入射した方向とは逆方向に反射する性質です。ある方向のみに特化して反射してしまうので、全体に均一に光を落としたい時には不向きですが、方向を決め込んで照射したい時などは利用すると良いかもしれません。写真のように天井が高くてランプ交換などのメンテナンスが難しい場所などは、ランプを低い位置に取り付けてミラーにあててから目的の場所に光を落とし込むような方法もあります。また、長野オリンピックのホッケー会場では、ダウンライトに鏡面のリングをぶら下げて、それ自体でもオリンピックの五輪を表現して、ダウンライトの光を反射してでた天井の光でもオリンピックの五輪を表現しました。たまたまではなく、計算通りが重要です。
2016年8月7日