2016年11月17日
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専門知識
反射の力を借りる
鉛直面の明るさの重要性は以前に述べました。そして、それは不快なグレアを生むような過度の輝度ではいけません。間接的に照らされている柔らかい輝度面である必要があります。

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写真は、オフィスビルのエントランス分部の壁面を、下からアッパーライトによって間接照明を行っています。視野に入る大きな面が、色温度の低い赤っぽい光によって照らされていることで、日中の外部の太陽光の下でもしっかり認識することができます。このような下からのアッパーライトでは、当然光の強さは下から上に向かってなだらかに減少していきます。ここで大切な事は、ガラスを通して見える奥の壁を、光沢のない白っぽい反射率の高い面にしておくことです。忘れてはならないのが、ガラス内部の水平面です。壁の下から段々弱くなった光も、一番上の、水平に光を受ける部分で直接反射した光によって、壁の上の部分の明るさを補填してくれるのです。この方法は、建築化照明のあらゆる部分に応用することができます。

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