光のシークエンスを考える
1251
post-template-default,single,single-post,postid-1251,single-format-standard,qode-social-login-1.1.2,qode-restaurant-1.1.1,stockholm-core-1.0.6,select-theme-ver-5.2.1,ajax_fade,page_not_loaded,wpb-js-composer js-comp-ver-5.7,vc_responsive

光のシークエンスを考える

暗い所から明るい所へ移動した時に眼が慣れてくる時間よりも、明るい所から暗い所へ移動した時に徐々に眼が慣れてくる時間のほうが多くかかるという経験は皆さんお持ちだと思います。これを明順応、暗順応といいます。視細胞には桿体、錐体の2種類があり、桿体細胞は明暗を認識し、錐体細胞は色彩を認識する働きをもっています。錐体細胞は光量が少ないと作用しないため、暗い所では桿体細胞のみが働くことになります。明るい所では、桿体細胞内のロドプシンのほとんどが分解消費されてしまい、暗い所に移動して再びロドプシンが合成されるためには時間がかかるため、暗順応のほうが時間がかかります。
この事は、実は照明計画にとっては非常に大切なことです。特に、ホテルやオフィスなどの通過動線が多い建築においては、外部からエントランスに入った時の明るさの変化は勿論の事、食事空間から就寝への移動空間や起床から食事空間への移動空間などの、時間軸による光の変化を考慮することが重要です。
個々の空間が質の高いその場所に適した光空間であっても、就寝する部屋に移動する通過動線が明る過ぎて覚醒してしまった・・・・という光環境では良い照明計画とはいえないのです。




No Comments

Post a Comment

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください