自然界から学ぶ
格子の間から見える映像の光の正体が何者かおわかりでしょうか。パソコンに海の底の画像や空を覆うオーロラの画像を出して、格子穴をあけて全体像が分からない状態で見てみた様子です。私はこの、自然界の静かに移ろう光景が好きです。正確に言うと、全体像としての正体が分からない、小さなスクエアの集合としての色の変化が好きなのだと思います。
心身に疲労を感じた時、窓の外の景色をボーっと見つめてしまう感覚に似ています。逆に、高い輝度で点滅する光や、規則的に変化する色の演出などは、自分の気持ちが元気な時は興味深く楽しむことができますが、疲れていたり気持ちが落ちている時はうっとおしく感じてしまいます。その変化の仕方の違いの境界をどこでつけるかは難しい問題だと思います。そしてそれを使い分けて創りだしていかなくてはいけない、照明デザイナーの立場からすると更に難問です。ただ、心の深い所に到達する移ろいが、人のDNAに刻み込まれた、自然界に存在する光の移ろいに起因している事は間違いないでしょう。
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