宙に浮く感覚を得る空間
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宙に浮く感覚を得る空間

エッジが視野内に全くない状態(等質視野)では、人は空間を把握することができず、地に足がついていないような感覚になってしまいます。これはエッジのお話しのページでしましたが、空間のエッジが感じられても、フワフワと浮いたような感覚を覚える空間があります。
影がない空間はどうでしょう。光があると影が落ちます。そんな自然な状況が日常の自分の立ち位置をおしえてくれるのですが、影がなかったら、宙に浮いたような非日常の感覚を味わうことになります。影の落ちない空間とは、すべての面が拡散光で満たされているような空間です。空間全体が面光源のように機能し、光の指向性が失われると、自分の影が殆ど落ちることがなく、地に足がついた感覚が弱くなってしまいます。ですから、非日常的な空間の演出をしたいような時はこれをヒントにするとよいのではないでしょうか。真っ白な内装で覆われた窓のない部屋を間接光のみで演出したり、、すべての面に面光源を設えたりすることでこのような空間を体験することができます。
しかし、自然光を取り入れながら影をつくらないような柔らかい拡散光に変化させている空間もあります。直射光を避けたい美術館などでよく見かけます。
トップライトなどを工夫している手法をここに挙げてみます。

DSC_0330


・円筒トップライト
 円筒形のトップライトの深さを、直射光が直接はいらないように、太陽高度との関係を考慮して決めている。

・クリスタルスカイライト
 冬の低い高度の太陽光は山形のガラスの中で反射して、山形全体が照明の様になるが、夏の日差しは直射光が張りにあたって直接入らないように工夫うされている。

・鋸屋根スカイライト
・反射装置
・反射リブ
 直接光を反射板に反射させて取り入れることで、展示物に直接光を当てないように工夫されている。

これらは、展示物などに直射を当てないための物が多いので、空間全体を拡散光のみで満たしたい場合は、トップライトの下にさらにガラス天井などで覆い、二重構造を形成しているような、ウィーン郵便貯金局(オットー・ワーグナー)などがあります。

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