影の物語
何度か話題にあげてきた、レッジョエミリア教育にまつわる話です。レッジョエミリア教育のあるプロジェクトのなかで、子どもたちが影の命の物語をアニメ化するという試みがあります。子供たちは窓の影を追うことで、幾つかの影の特色(影が傾くという事実や、一日の間で姿を変えるといった特色)をつかみとります。
「たぶん違う壁だよ。」「ううん、これだった。」「きっとまだ、届いてないんだよ。」「そっちに少しあるの、見える?」
「今、影はぼくたちの紙のちょうど真ん中にある。」「なくなっている物がある。」「もうわからない。」「紙をいきすぎちゃった。」「見て、床の上にもある。」「たぶん、ゆっくり、とてもゆっくり動いていくのは、おひさまのせい。」
こんな経験を幼児期の日常で積み上げてきたこどもたちがどんな大人になるのかを考えただけで、ワクワクしてしまうのは私だけでしょうか。それと同時に、こんな経験を容易にはできない今の日本の教育に焦りを感じてしまう何もできない自分が悲しくもあります。
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